キュレーター / アーティスト / 1996年生まれ / 2006年生まれ

Tenko & Raiki 点子 & 靈樹

Q1. 自己紹介をお願いします!

靈樹: ライキです。17歳です。最近アーティストとして何かをやらせてもらうことが多いです。

点子: 中島点子です。26歳です。去年の秋くらいから「Tenko Presents (テンコ プレゼンツ)」っていうキュレーションプロジェクトを始めました。日本や海外のアーティストを呼んで、いろんな場所で展示をやったりしています。

Q2. 二人の出会いは?

靈樹: 2年前の夏に、私が知り合いの展示の最後にパフォーマンスをしていて。点子はそれまでパリにいたから、そこで初めて会いました。

点子:  speedyleegenesis (スピーディーリージェネシス) の音楽に合わせたパフォーマンスを見て何この子と思って。その時、ライキはまだ15歳。そのイベントの3日前に日本に戻ってきたので、あの日のことは印象に残っています。 

Q3. 点子さんは海外生活が長かったんですね。

点子: そう。大学ではロンドンで、生まれはドイツ。中学校、高校は日本で、ロンドンに行ってその後パリにも行きました。

Q4. 2人はユニットを組んでるの?

靈樹: ユニットは組んではいないんだけど、組んでるようなものかもしれないね。カラオケだと結構ユニットになる。t.A.T.u. (タトゥー) とか2人で歌ったりね。私はママがスナックをやっていて、カラオケで育ったようなところもあるので。

Q5. 往年のスナックソングとか?

靈樹: あーそういうの好きですね!

点子: 2人では t.A.T.u. (タトゥー) とか、Rihanna (リアーナ)。私はモー娘。をよく歌います。80年代のアイドルとかすごく好き。私たちの声がいい感じに全然違うから、ハモるんだよね。ライキは本当に歌がうまい。

Q6. お二人とも相性がいいんですね。

靈樹: なんか一緒にいることが多いです。実家が県外なので、週末とか終電がない時に点子の家に泊まることが多くて。そして、2022年11月に初めての個展を「Tenko Presents」として点子の家で行いました。 

点子: 今住んでる家は中学、高校のときに育った家だから、10代の思い入れがすごくあって。ライキも私の家によくいるから、時差はあるけど2人が10代を過ごした家として、交差しているんです。

靈樹: (展示で、) 私たちが作っているものを見て、それより先の感情を抱いてくれる人たちがいるんだなってことに気づいた。その時に初めて2人でしっくりきたよね。やる意味とかそういう大きな言葉じゃないけど、何かを発表すれば何かが起きてるっていうことを知ることができて嬉しかった。そこで終わったらつまらないけど、話が続いていくのがすごく楽しいから、ずっと何かを繋げていけたらいいよね。

点子: そうだね。「Tenko Presents」ではパフォーマンスでも、写真でもいいし、音楽イベントでもいいから、いろんな人を紹介していきたい。 

Q7. 7月9日までヒステリックグラマーで展示を開催中だそうですね。展示についても聞きたいです。

点子: ライキと Amalia Ulman (アマリア・ウルマン) っていうアメリカで活動しているアルゼンチン出身のアーティストの二人展。アマリアは映画とかアートとか色々作品を作ってるんだけど、前から彼女の作品がすごく面白いなと思っていて。ライキと彼女の映画を一緒に観に行ったり、私もインスタグラムを通じてアマリアと前から交流があったんです。

靈樹: アマリアはなぜか私のこともインスタで知ってくれていて、今回の展示も何か縁があるなと思う。ちょうどいいタイミングで点子から二人展のアイディアが生まれたんです。

Q8. 意図せずに繋がった展示なんですね。

点子: アマリアは、女性を作品の主題に扱っているアーティスト。ライキの作品でも、女性という存在が輪郭やシルエットで表現されています。

靈樹: 自分の作品では、女性の肖像っていう表現はあまりしていなくて。スキンケアの道具は女性的なスピリットがあるし、ビルって男性的じゃないですか。でもそうやって区別する中でも、世間がしている前提みたいなものがないのが好きで。だからシルエットを描いて、観る人がどう思ってるのか気になるし、それをどの視点から、女性だって決めてるのかなって思う。胸のラインなのか、髪の長さなのか。

Q9. どんな展示になりそうですか?

点子: アマリアは、Instagram でフェイクアカウントを作って、例えば LA インフルエンサーになりきった投稿を沢山してました。それでフォロワーがすごく増えたんだけど、結局それは全部パフォーマンスで、作品だったんです。可愛いだけじゃなくて、可愛いって言われるのはどういうポジションなのかということも、客観的に面白く見せてくれるアーティスト。今回、ライキとアマリアが一緒に展示する理由は、2人とも女性という存在を感覚的に捉えてるから。ヒステリックグラマーにも近しい世界観を感じます。

Q10. 2人にとって東京はどういう存在?

靈樹: 私は人に会える場所って感じ。鎌倉生まれだけど、東京に一人暮らしたいってとはあまり思わない。だとすれば国外に行きたいし。でも、色々な人に会えたり、展示するスペースとかもそうだけど、結局始まりは東京。

点子: 落ち着く場所かな。家族もいるからか、守られてる感じがある。安全だし、あんまり困ったりはしない街だね。ロンドンに住んでいると、困ることが多い。例えば、水が止まって誰かを呼んでもぼったくられたりする。でも日本だとみんな信頼できる。温泉もあるし、ご飯も美味しい(笑)

Q11.これからやりたい目標があれば教えてください。

靈樹: ずっと作り続けていきたいなと思っています。別に、作品を作ることで自分を吐き出してるとかではなくて、作れないとどこにも風穴がないっていう気がしちゃって。内側しか守らなくなっちゃうのは大変だから。

点子: 日本に来てもうすぐ2年なんですけど、「Tenko Presents」をどんどんやっていきたいです。私は日本とヨーロッパに結構長く住んでたから、その橋渡しになるように色々なアーティストを繋げていくのが目標。いつかライキと一緒にロンドンやベルリンで展示もできたらなって思ってます。