2023.07.03
【フォトグラファー講座 vol.4】太陽光でカラーデザインをキレイに写すロケ撮影のテクニック
これまで3回に渡り、プロのフォトグラファー新井さんからモデルやカラーデザインをより美しく撮影するテクニックを教わってきました。最終回である4回目は、太陽光を活かしたロケ撮影のコツをレクチャーしてもらいます。プロのカメラマン目線で、どのように太陽光を使えばカラーデザインがキレイに写るのか、そのテクニックを学んでいきましょう。
記事の続きを読むにはログインするか、
会員登録(無料)すると、見られるようになります
Back to Topic Top
Back to HOME
01.バランスよく、すべてをキレイに写す「順光」
モデルに対して、正面から太陽の光を浴びる場合を「順光」といいます。直接太陽の光がモデルに当たるため、肌の質感がキレイに映り、ヘアデザインが鮮明に写るのが特徴。ただ、陽が高すぎると被写体の真上に太陽が位置してしまい、髪の毛や目鼻など顔の窪みで影ができてしまうため、順光で撮影したい場合は、朝か昼過ぎの時間がベストです。また、顔にどうしても影ができてしまう場合、白壁の横にモデルを立たせる裏技が。白壁が太陽の光を反射することでレフ板のような効果があり、明るい光がモデルの顔に当たり影が薄くなる仕組みです。
02.ハイトーンカラーの透明感を活かす「逆光」
モデルの真後ろから太陽の光が当たる場合を「逆光」といいます。頭の輪郭が浮き上がり、肌がふんわり写ることが特徴。そして髪の透け感が出るため、カラーデザインを美しく写すことができます。透明感の出やすいハイトーンカラーを撮影する場合、特にオススメの光の使い方。また逆光での撮影テクニックのひとつとして、被写体の頭で太陽を隠す方法が。日食のようなイメージで太陽は隠れますが、頭の周囲に差し込む光で、より髪に透け感を出すことができ、雰囲気のある今っぽい写真に仕上がります。ですが、顔が暗くなってしまうため、顔が適正な明るさになるようにiso感度を上げることで調整しましょう。
03.「くもりの日」でも、陰影をつける
光量が弱いくもりの日は、撮影に不適切だと思われがちですが、実は撮影しやすい日でもあります。太陽の光が弱い分、髪や顔の凹凸で影ができる心配がなく、すべてフラットに写すことができます。ヘアカラーも、強い光に反射して色が飛んでしまう心配がなく、全体の色をキレイに写すことができるなど、メリットがたくさん。ですが顔に影がない分、ややのっぺりとした印象の写真になってしまう場合もあります。そんなときは、多少でも被写体に太陽の光が当たる建物の影などを利用するのがおすすめ。くもりの日でも太陽の光がゼロになることはないので、差し込んでくる自然光で被写体の顔周りに陰影をつけることができ、くもりのロケ撮影でもメリハリのある写真が撮影できます。
04.「逆光×ストロボ」を使った、上級テクニック
逆光での撮影中、どうしても顔が暗くなってしまうという問題が起こってしまいます。そんな時に使いたいのが、ストロボ。ストロボの設定を背景の明るさに合わせ、顔にフラッシュの光を当てると髪の透明感を活かしたまま、顔も明るく写すことができます。ストロボを使用すると背景もしっかり見せながら、モデルやカラーデザインをキレイに写すことができます。ストロボを使用せず顔の明るさに合わせて撮影すると背景が白っぽく飛んでしまいますが、背景にこだわって撮影したい場合はこのストロボを使ったテクニックで、背景も被写体もしっかり見せることができます。
ヘアを美しく見せる、スナップ撮影の極意とは
4回に渡ってお伝えしたのは、講師の新井さんが基本的なことでありながら、大事にしている撮影のポイントだとか。モデルやカラーデザインをキレイに写す方法は実はシンプルで、今回の講座で伝えたことを応用しているだけだそう。「かっこいい背景選びやモデルのポージングは二の次。色の忠実な再現も大事ですが、自分的には、ハイトーンカラーはより透明感を持たせたり、そのヘアデザインやカラーの特徴をより際立たせて撮影することを、いつも気を付けています。よりヘアデザインやヘアカラーを美しく撮影したいと思ったら、まずは光をうまくコントロールできるようになりましょう。そして、モデルの立ち位置や余白の使い方で写真の仕上がりはグンと変わります。」皆さんもクオリティの高い写真が撮影できるように、4回に渡ってお伝えしてきたテクニックを実践してみてください。