本展が焦点を当てている LP ブートレグのワイルド・ウェスト時代とは、LP レコードのブートレグが盛んに制作され、流通していた1970年代のことである。アメリカの著作権法の抜け道を突き、大衆向け主流アーティストの LP レコードをほぼ合法的に発行し、独立系レコード店を通じて販売していた。本展では、LP レコードの先駆けとなった Bob Dylan (ボブ・ディラン) の音源を寄せ集めたブートレグアルバム「The Great White Wonder」や、幾度も再リリースされている SEX PISTOLS (セックス・ピストルズ) の名作「Spunk」まで多彩な作品が展示されており、ブートレグの世界を堪能することができる。
ブートレグ LP のジャケットアートワークは、ヒッピーたちがビックロックバンドへのオマージュや社会的風刺を描くためのキャンバスとなっていたため、創造的で自由な作品が多く存在。このファンアートで彩られたジャケットが、ブートレグの大きな魅力の1つである。だが、1980年代に入り、CD が浸透するとブートレグの制作はプロ化してしまい、アートワークは失われていってしまった。
本展を記念した「LOVE BOOTLEG TEE」も HYSTERIC GLAMOUR 全店及び公式オンラインストアにて発売中。Boo-Hooray がピックしたコレクションが提供してくれるのは、視覚的に美しいブートレグの世界。そして、音楽史に独自の足跡を残したブートレグ LP が与える新しい音楽との出会い。HYSTERIC GLAMOUR と Boo-Hooray のタッグが贈る本展にぜひ足を運んでみてはいかが。