3DCGや、グラフィックデザインで、数多くのブランドとのコラボレーションを手掛け、ポップで鮮烈なビジュアル表現で注目を集めてきた Kiyuu。作家として2度目の開催となる本展のインスピレーションの起点となったのは、山手線の車窓から見えた「回転寿司の看板」と「ファッション広告」が並ぶ光景。「食べること」と「着ること」、本来は異なる領域であるこの2つが都市空間で違和感なく共存している現実から、彼女は現代の選択のあり方を問い直した。

Kiyuu アーティスト写真
1階フロアでは、布や光、映像を組み合わせた没入型のインスタレーションを展開。都市の流れに巻き込まれるような感覚の中で、自身の「今」や「旬」とは何かを問い直す体験へと私たちを誘う。2階には、円形キャンバスによる新作シリーズ「うつろう旬」や、日本の寿司屋を想起させる座布団作品「にぎる旬」が並び、和のモチーフと都市文化が交錯する空間を演出。さらに、座布団と皿を積み上げたオブジェや、重機を用いた装置が登場し、消費社会における欲望の滑稽さをユーモアを交えて可視化した。
また、Ray BEAMS (レイ ビームス) とのコラボレーションによる T シャツや、トートバッグも会場で販売される他、オープニングレセプションでは展示の世界観に呼応した握り寿司とドリンクを提供。さらに、6月5日 (木) には不眠遊戯ライオンにてアフターパーティーの開催も。日常に溶け込む「旬」の選択と消費を、改めて見つめ直すきっかけとなる本展。Kiyuu が提案する今を選ぶ感覚にぜひ会場で触れてみて!