本プロジェクトは、Acne Studios が2005年から2014年まで発行し、2021年より復活した伝説的なパブリケーション『Acne Paper (アクネ ペーパー)』の最新刊である17号「Atticus」のアーティスト特集に、Larry Stanton の作品を掲載したことをきっかけにスタート。Larry Stanton は、1947年にニューヨーク州デルハイの農村に生まれた後、18歳からマンハッタンに移り、若干37歳にしてエイズで亡くなるまで、ニューヨークを拠点に活動したアーティスト。David Hockny (デイヴィッド・ホックニー) や Henry Geldzahler (ヘンリー・ゲルツァーラー) を師と仰いでたという同氏は、その出で立ちや作品で多くの人を魅了し、スタジオは芸術家や作家が集まる場所だったという。友人や家族の所蔵画を残しつつ、作品の中核をなすのは、夜の探検の中で出会った若者たち。活動期間はわずか数年であったにも関わらず、絵画、ドローイング、写真、ビデオという異なる技法を用いて生み出されたクィアの祝典とも言うべき重要な作品群を紹介することが今回の目的となっている。
「Acne Studios Loves Larry Stanton」カプセルコレクションは、Larry Stanton の個性的な肖像画と表現力豊かな色彩に着目。自画像が描かれたパープルのTシャツや、アーティストが入院中にドローイングで描いたメッセージ「I’m going to make it(必ず成功させる)」を採用したオフホワイトのTシャツをはじめ、同氏の作品がプリントされたフーラードのスカーフ、ジャカードのブランケット、ランプを展開。本コレクションは現在、Acne Studios の店舗およびオンラインショップにて発売中だ。
さらに、東京でも開催される展覧会では、Larry Stanton のオリジナル作品ほか、アーカイブのフィルムやスチール写真、オリジナルノートやコンタクトシートを展示。本展のキュレーターである Fabio Cherstich は、Larry Stanton のパートナーである Arthur Lambert (アーサー・ランバート) とともに「The Estate of Larry Stanton」を設立した人物で、今回はナレーションも手掛けている。本プロジェクトは、Arthur Lambert ならびに「Estate of Larry Stanton」との協力で行われており、カプセルコレクションの販売収益はすべて、ニューヨークを拠点にエイズの啓発に取り組む現代アート団体、「Visual AIDS」に寄付される。