MBFWT 2015 FALLWINTER YOSHIO KUBO BACK STAGE

MBFWT 2015 FALL WINTER YOSHIO KUBO BACK STAGE

文: 岡部駿佑 / Shunsuke Okabe

年に2回のファッションの祭典、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京 2015-16年秋冬が、21日土曜日幕を閉じた。無論毎シーズン多くのデザイナーが参加するファッションウィークだが、今シーズンは例年にも増してバラエティー豊かなショーラインナップが話題を集めている。気鋭の若手デザイナーからキャリアうん十年のベテランデザイナーによるアニバーサリーショー、海外からのゲストデザイナー、そして海外コレクションから“凱旋帰国”を果たしたデザイナーなど、注目すべきショーは数多くあるが、その中でも今回は『The Fashion Post』が厳選したコレクションを、エクスクルーシブなバックステージ写真とともに紹介する。

ブランド創立から今年で12年目を数え、コレクションスケジュールの中でも既に安定した位置を築き上げているメンズブランド、yoshio kubo (ヨシオ・クボ)。デザイナーの久保嘉男はこのブランドのほかに、ウィメンズブランドの muller of yoshio kubo (ミュラーオブヨシオクボ)、そしてカジュアルなメンズラインの Undecorated Man (アンデコレーテッドマン) を手がけている。

今回発表された2015年秋冬コレクションの幕を切ったのは、ブラックとグレー色違いのテーラードルック。久保が得意とする端正な顔立ちのテーラリングジャケットには、胸元に今季のテーマである“DESERT AND DRILL (=砂漠とドリル)”の文字が描かれたバンドが合わせられている。その後同じくテーラリングジャケットを、南国を思わせるオリジナルテキスタイルで切り替えたなルックが登場。その他スポーツウェアに使われる素材やスウェット素材、ニット、その他ありとあらゆる素材を自在に組み合わせたエクレクティックなルックがランウェイを彩る。

コレクションでも特に目を引いたのが、ルレックス糸を織り込んだエレガントなツイード地。ある時はブルゾンの前身頃に、またある時はモッズコートの切り替えに用いられたツイードは、エネルギッシュなストリートウェアにエレガントな表情を与えている。

モッズコートにファーのトリミングを施したアイテムは、バックスタイルにも同じくファーの装飾が取り入れられており、「男は黙って背中で語れ」と言わんばかりにバックスタイルに重点をおいたランウェイ形式では、趣向を凝らしたディティールが印象付けられた。

このミックス感覚はモデルのキャスティングにも存分に活かされており、東京コレクションでは珍しい黒人モデルをはじめ幅広い人種、そして年齢から選ばれたモデル総勢20名が今回のショーでは起用されている。

フェミニンな素材を使いながらも男性的、カジュアルでありながらエレガント、そしてエッジーでありながらリアル。毎シーズン、取り立てて大きな驚きは無いものの、確実にファンの心を掴む安定したクリエイションを見せる yoshio kubo。今季2015年のランウェイでもまた、半年後に袖を通すのが待ち遠しいルックばかりが揃った。

HP: www.yoshiokubo.jp