文: 岡部駿佑 / Shunsuke Okabe
「バスルームから出てきて、何の意識もせずに取り合わせたようなスタイリングイメージを計算して作りました。」
メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京の4日目にあたる19日。早朝に開催された Dressedundressed (ドレスドアンドレスド) の2015年秋冬コレクションのショーについて、デザイナーの北澤 武志は緊張した様子で語った。
東京を代表するカルトショップ Candy (キャンディー) 創設メンバーである北澤と佐藤絵美子が、アンダーグラウンドシーンからの刺客として東京コレクションに初参加したのが2012年。そこから僅か3年のうちに、彼らのブランドは今や東京コレクションきってのトレンドセッターとして安定した地位を確立している。
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2013年春夏コレクションで発表され、 Francis Bacon (フランシス・ベーコン) の作品にオマージュを捧げたプリントや、2014年春夏コレクション「The Birds」では Alfred Hitchcock (アルフレッド・ヒッチコック) にインスパイアされたオリジナルテキスタイルを用いるなど、“Fashion-meets-art (ファッションとアートの融合)” を体現してきた彼らだが、今回2015年秋冬コレクションでは「Common Object (=共通オブジェクト)」をテーマに、ありふれた日常風景をコレクションに落とし込んでいる。
定番のブラック&ホワイトに加え、今回キーカラーとして取り入れられたヌードベージュは、クリーンであると同時にどこか艶かしさを感じさせた。
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全体を通してベーシックなアイテムで構成されたコレクションだが、クラシカルなトレンチコートには対照的にカジュアルなブルゾンをレイヤーし、スリーブをロールアップするなど、あえて作り込まれた“違和感”は、スタイリングに控えめなステートメントを添えている。
Dressedundressed の定番である“アンドロジナス”な人物像は今回影を潜め、代わりに登場したのがマニッシュなスモーキングルックに身を包んだエキゾチックな顔立ちのウィメンズモデル。Dressedundressed 流ノームコアを表現したというコレクションは、大きなインパクトは無いものの、モダンかつ都会的な人物像には色気という武器が加わっている。
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